目の前のことが事実なら、偽りの世界ではなくなる

咄嗟に口にしてしまった言葉の危うさにハッとしたり、引き返せなくなってしまった経験はありませんか。

「そんなつもりはなかった」なんて、事後修正ができないこと。言葉は生きてます。とっさに出た言葉は、選定ミスではなく本音。

誰かを笑顔にするのも、心を壊すのも、たった一言でできてしまう。だから、伝えることを諦めないで欲しい。

人は嘘をつく生き物

人は、生きていく上で少なからず嘘をつきます。動物は本能で身を守り生きていますが、人の本能はそれほど優れていません。

第六感というやつもありますが、鈍感な人もいる。本能が衰えている分、知恵があるのが人。とりわけ、嘘をつくことに長けていると思います。

嘘にも種類がありますね。誰かを守るための嘘、笑顔を見るための嘘、その場をやり過ごすための嘘、自分を守るための嘘・・・。

例えば、余命宣告を告げない嘘。認知症で混乱している人を宥めるための嘘。そういった嘘は、必要な嘘かも知れません。

許される嘘・許されない嘘の違いは、相手が傷つくかどうか。相手が信じるのなら、それは嘘ではなく、真実のように扱われることもあります。

人を傷つける嘘もありますね。保身のために嘘をつく。誰でも一度や二度くらい、そんな嘘をついた経験はあるでしょう。

そのたった一度の、保身の嘘を、生きていく糧として信じる人もいます。突き通せる嘘なら、突き通せばいい。
嘘も突き通せば真実になることもあるのではないでしょうか。

 

嘘をついたことは覚えていないといけない

大半の人は、嘘をついた自責の念に潰され、嘘をついていたと無責任に口にする。余計なことに、嘘をついた責任を相手のせいにする理由もプラスして。

嘘をついたのは、あなたのせいだと、あなたのためだと、言わんばかりに。嘘をつくのなら、突き通す覚悟が必要ですが、人って脆いから、自分が揺れてしまうと自分を守るために、さらなる嘘と傷をつけて自分を正当化しようとする。

何がそうさせているのか。それは、嘘をつくと嘘をついたことをずっと覚えていないといけないから。無理な辻褄合わせがどこまで通るか、責められないかをいつも考えていないといけなくなる。

子どもの頃、嘘をついてはいけません。そう教えられましたよね。相手を傷つけるのは、当然あってはならないことですが、嘘をついたことを覚えていないといけない、終わりのない道に足を踏み入れないための教えもあったのだろうと、大人になった今、思います。

「指切りげんまん、嘘ついたら、針千本飲ます」
指切りげんまんが、いつの時代からあったか知りませんが、自分が嘘をつきそうな瞬間になると、針千本はイヤだ!って思います。子ども心に刻まれたものって、大きいですね。

関連記事

  悩みはありますか?困っていることはありますか? たまにそんな質問をされます。答えた場合、頷いて聞いてくれたり、大変だったねって労ってくれたり。話したところで解決はしなくても心が、一瞬軽くなることありますよね[…]

関連記事

収入の格差、学力の格差、就活のフィルタリング・・・。職業選択の自由は憲法で認められていますが、根底にあるのは、資力と時間です。学べる環境・経済力を持つものだけが学べるというのが、今の日本。 男女平等、ジェンダーレスという言葉もあり、多様性[…]

嘘も方便だが嘘に慣れてはいけない

時として、必要な嘘はあるでしょう。大人になればなるほど、そういった機会に遭遇します。けれど嘘に慣れてはいけません。嘘をつくことに慣れてしまうと、嘘をついていることを忘れてしまうから。

息を吐くように嘘をつく。

なかには、今生きていくために、共に生きていくために、嘘や違う自分を作り成りきることで、日々、暮らしている人もいます。それは嘘ではなく、生きるための術ではないでしょうか。

大切なのは、他人を傷つける嘘を重ねることに対して、何も感じなくなるということ。言葉を発することは、呼吸をすることと同じくらい大切なこと。

そこに嘘をつかなくてはならない事情があるのなら、せめて、嘘をついたことを忘れてはならないのでは。

言葉は、笑顔にし、幸せにすることも、その人を終わらすこともできるから。嘘を重ねることに慣れてはいけないと強く思います。

嘘を着くと決めたなら、最後まで突き通す。それは、相手を守るための手段。守る気がない嘘は、それまでのすべてが茶番になる。

関連記事

なぜでしょう、春が近くなると切なくなるのは。 新年が過ぎ、身の振り方、生き方を考え転職や再出発を考え実行する人も多く、桜の季節は別れも多いように感じます。今日は、ちょっと気になる言葉の、良い花は後からについて書こうと思います。 思い[…]

自分と大切な人にちゃんと向き合ってますか?

「君は偽りの世界の人だから」私が人生の中で一番涙を流したのがこの言葉でした。嘘を重ねることに麻痺をしていると、現実と非現実がわからなくなるのかも知れません。

現実ってなんだろう。いろんな考え方がありますが、目に見えていること、目の前に起きていることすべてが現実だと思います。

仮にそれが、嘘を積み重ねたものであっても。星の王子様に登場するキツネが言っていましたね。(正確ではないので、気になる人は検索してください)

「金色に輝く小麦を見るたびに、僕は君に会えるんじゃないかって期待するんだ」

「君にはその責任があるんだ」

嘘をつかないと、今、自分が保てないこともあります。それは自分自身を奮い立たせるときに使って欲しい。

嘘をついたなら、嘘を覚えている。これが、責任と人の成りだと考えます。

関連記事

雲の上はいつも晴れ。私は、よくこの言葉を思い浮かべます。雲の上はいつも晴れの意味は?ことわざ?それとも誰かの言葉なのか?気になる人もいるでしょう。雲の上はいつも晴れに込められた意味についてサクッとまとめてみました。 雲の上はいつも晴れ[…]

物事は白で始まるからグレーも必要

物事は、白と黒だけではありません。白で始まれば、途中で黒になっても白に戻れるし、黒で始めれば、結局黒になる。

黒で始めたくて、黒を選んだ人って、いないと思うんですよね。白で始めたことを忘れないで欲しい。

答えをどうしても出さないとならないときは、グレーでもいいじゃないですか。人は余裕がなくなると白黒つけたくなる。

一滴の水なのか、大きな流れか分かりませんが、水を流し、白になるのを待つのも悪くないと思います。
嘘をつきたくてつく人は、きっといないですよ。

目の前の出来事すべてが、現実であり、日向。
枝葉が伸びすぎたなら、嘘をつくのではなく、剪定をすればいい。

そう自分に諭した、この頃でした。

関連記事

国や両親・育つ環境を選んで生まれてくることはできません。スタートに差があるのは事実ですが、自分の置かれている環境って、子どもを除いては、自分自身が作っています。 自分は変われないと思っている人に伝えたい。人は変われる。自分は変われない[…]